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その夜、香織のお姉ちゃんの話を聞きながら眠る時間を待った。
優しくて頭がいいこと。
顔は双子のように似てること。
少しドジな所もあるということ。
家族の話をするのはとても新鮮で楽しかった。
「じゃあ、寝よっか。おやすみ」
「うん。おやすみ」
今日も寝付きは妙に良かった。
そしていつもとは違う夢を見た。
それは暗闇ではなく、真っ白い空間で浮いているようだった。
目の前には髪の長い綺麗な女性。
「え・・・香織?」
そう思ったがすぐに違うとわかった。
「ずっと、待ってるから。私のことを、見つけて・・・。」
この前聞いた、あの声だ。
「香織のお姉さんですか?あなたは今、どこに・・・?」
「私の名前は詩織。この部屋で眠っているわ」
唐突にまばゆい光に包まれた。
思わず目を瞑り、次に目を開けた時は夢から覚めていた。
「この部屋で眠ってる、か。」
一体どこにいるんだろう。
ふと隣を見ると、そこにいるはずの香織の姿がなくなっていた。
「え、香織?どこ?」
声を掛けるが返事はない。
ドガドゴッ!バタンッ!ガッシャーン!ーーー。
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