第1章

2/5
前へ
/5ページ
次へ
あれから5年。 私たちはその言葉を最後に別れた。 『ずっと待ってるから。』 彼の言葉を振りきった私は今ここに立っている。 「『ずっと待ってるから』……かぁ。」 寒空の中冷たくなった手を吐息で暖めながら晴れた空を見上げた。 風の噂で彼は海外へ行ってしまったと聞いた。 私は彼と別れた後もいろんな人と付き合ったりもしてみたが、どうもしっくりこなかった。 そして、5年前彼と別れたこの場所へといつの間にか足を運んでいた。
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加