第1章

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 警部は、頭を振って答えた。 「いや」  すると、彼はほくそ笑んでから言った。 「秘書は、この部屋にいなかったのです」  その答えに、警部は、ポカンと口を開けた。なぜ、そんな答えが出て来たのかわからなかったからだった。彼は話を続けた。 「なぜ、そんな事を言うのかと言いたいんでしょう、警部。でも、これは明らかなんです。なぜなら、秘書さんは、この部屋にあるモノを隠すために、部屋を取ったのですから」 「あるモノ?」  警部はぽつりと一言話した。あるモノとは何なのか、疑問に思ったからだ。彼は、その事にまんざらでもないというような顔をしているけど。
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