第1章

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「あの男は、俺が不倫した現場を写真に撮って、それをメールに添付して、俺を脅してきたんだ。バラしたくなければ、ここに一千億円の現金を、束で送って欲しいと」  だから、君の気持ちもわからなくはないと、社長は話した。社長も、その男を殺そうと考えていた事も、事細かにペラペラと話したのだ。 「こいつは、ほかにも何人かの人に、お金を貢いでいるという噂も、多数あがっている。いわば、常習犯って奴だ。でも、殺しはいけない。殺したら、こいつの思うつぼだからな」  連行しろと、警部は部下に命令して、秘書はお縄になった。たくさんの人が見ている中で。 「待って下さい」  秘書がパトカーに乗せられていく前に、社長は、警部に話しかけた。警部は振り返る。
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