第1話

第1章

「彼女に伝えてくれますか？　君が戻って来るまで、君の席はずっと空けたままにしておくと」
　警部は、彼女に一応、伝えておく事を伝えてくれた。
　警部がパトカーに乗ると同時に、パトカーは走り去っていった。社長は、その通り過ぎて行った車をじっと見つめながら、最後に一言言った。
「待ってるからな。君が罪を償って戻って来るのをずっと、待ってるから、その時は、君の入れたお茶を、飲ませてくれるかい？」
　と、優しい声で。