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その時、ケンの機体のコックピット内で、警報音がけたたましく鳴り始めた。
ミサイルロックの警報だ。
「くそぉっ、こんな時に!
UFOの野郎、諦めたと見せかけて油断させたのか!」
・・・そう、UFO機はケンを油断させ、すかさずミサイルを放ったのだ。
まるで味方機の通信を把握しているかのようなタイミングで・・・。
「くそ、ミサイル・・・ブレイクできるか?
だめだ、かわしきれない!!!」
敵のミサイルが当たった瞬間、ケンは走馬灯の様に今までの出来事を遡った。
・・・UFO機は爆撃機タイプが3機、ドッグファイター(空戦)タイプが3機。
味方一機墜としたのちに、モールス通信。
最後に残った隊員、リースは脱出という選択肢を選ばず、墜落。
墜落直前にモールス信号の内容を解読、それをケンの機体にメッセージ送信。
メッセージの内容はintのc。
・・・謎が深まるだけだった。
普通の編隊なら爆撃機を少数にしてドッグファイターが護衛のために多く配備し、防衛の陣営を固めるのが一般的な戦術。
なぜ爆撃機と戦闘機の半分づつで編成した?
なぜ味方を一機墜としたあとにモールスを打ち込んだ?
なぜリースは脱出しなかった?
なぜリースは墜落寸前にメッセージを送った?
なぜ、UFO機が送った暗号の意味がintのc?
なぜ、intのc?
なぜ?
なぜ?
そこから、ケンの視界は暗転した。
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