6vs―

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本部で司令に探知をしてもらった雪や悠哉たちはすぐにその特定された場所へ向かっていた。 そして― 「ここが多分Dの拠点だよね」 直斗がそうつぶやくと雪が一歩前に出た。 「うん、それと多分…これが終わったら、もうこの時代の皆とはお別れになる」 「なんだよそんなしんみりした空気作ってんじゃねーよ似た者同士のやつらがよ!」 悠哉がいつもの陽気な調子でそう言うと雪は悠哉の方を向き、いつもの笑顔をして言った。 「そうだね、これから行くのに今からこんなこと言ってたらダメだよね!」 「そうだ!…ところであの、チームは決まってるんだよな?」 悠哉が少し不安気に言うと辰巳が笑顔で答えた。 「作者も相っ当頑張ったって話を聞いたぜ!」 「そっか!それはたのしみだぜ!」 悠哉がそう納得したところを確認すると、雪は扉に手をかけ、前に押した。 「それじゃあ、行くよ」 ー1階ー そこは大して何もなく、黒い大理石でできた床と同じく大理石でできた壁が一面に広がっていた。 雪たちがそこであたりを見回していると突然、奥の壁が開き、一人の人間が入ってきた。 「俺はV、名前はない」 「「いや名前あるだろ!」」 皆そう思ったが誰も口にはしなかった。 「1つ質問をする、いま現時点でお前らの目の前には何人の生物がいる?」 「いや、普通に考えて1人だろ」 悠哉は見たままのその光景を言った。 「…そうか、ならばいま現時点でお前らの敗北は決定した!」 そういうとVと名乗る男の周りに縦に何層にも連なる光の輪がいくつも現れ、V本人と全く同じ像がいくつも現れた。 「おいおい…これ何体いるんだよ、体力温存とか言ってたの誰だよ」 悠哉は突如変化した光景に動揺を隠せなかった。 「こんなの楽勝だよ!ほら!」 そう言いながら右足で蹴りを放ち、分身の一体を粒子化させたのは雪だった。 「こんな僕でも倒せるんだ、君たち能力者が負けるわけ無いと思うよ」 雪がそう言うと、悠哉の口元が緩み、飛び出しながらこう言った。 「当たり前だ、負けるわけねーよなぁー!」
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