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ゆっくりと手を伸ばす。
が、指先が紙袋に触れた刹那、雷にでも打たれたかのようにビクッと引っ込めた。
これを使えば効果てきめんなのは間違いない。
でも、それは禁断の扉を開けることになるかもしれないとなれば躊躇うのも無理はない。
ダメよ!あんなに頑張ってきたじゃない!努力を無駄にする気?
ほらほら~、つべこべ考えずに楽になっちゃおうぜ~♪
心の中で天使と悪魔が交互に囁く。何かを振り払うかのように頭をぶんぶんと振った。
「ずっと待ってるから…」
突然襲ってきた苦しさに呻いた。
涙が一筋、頬を伝っていく。
限界だった。
「もう、待てないっ!無理なのぉ~!」
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