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それでも私の胸から顔をあげない彼女に私は、身に着けていたベールを外して彼女に着けてあげた。
「ゆ、ゆりさん?」
「ほら、顔をあげなさい。ちゃんと彼をみてあげて」
そういって彼女を彼の前へ押しやった。
「……友梨」
あの人は心配そうに私の側に立って肩に手を乗せた。その手に私は、自分の手を重ねた。
ー大丈夫ーだと言う代わりに。
彼は彼女の前で膝まずきブーケを差し出した。
「きみ……俺はきみと、友梨と晴さんのようになりたい。結婚してくれないか?」
「……はい!」
彼女は一度は驚いた表情になったがすぐに飛びっきりの笑顔になり、ブーケを受け取りながら返事を返した。
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