第1章

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「晴さん…。時間はかかるかもしれない。ううん時間はかかります。だけど……」 そっと、握ってた手を離して晴さんは私の口元に人差し指でそっと触れた。 もう片方の手は自分の口元人差し指を指していた。 「……友梨。言わなくていいよ。」 「でも…私!!」 「俺は、そんなわがままな所や、人のことを誰よりも思いやることのできる所、全部含めて友梨を愛してるから」 「晴…さん。」 自然に流れてきた涙にあの人は笑いながら親指で拭った 「嬉し涙ならいいけど、悲しみの涙なら俺怒るよ?……俺にも半分ちょうだい。」 おでことおでこをくっつけてあの人は言った。
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