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B「おっ」
A「あっ」
中学生のBは部活帰り。
いつもの丘を通っていると、そこに見知った顔を見つけた。
なにやら小さな箱を大事そうに抱えている少女。
B「……姉ちゃん、何やってんの」
A「あぁ、もう。なんでアンタに見つかっちゃうかなぁ……」
そう。そこに佇んでいたのはBの、実の姉だった。
少女は明らかに残念そうに、肩を落とした。
B「そんなに俺と会うのが嫌かよ」
A「うん、嫌」
B「少しはオブラートに包めよな……」
高校生の姉が何故ここに佇んでいるのかBは一瞬疑問に思ったが、今日がバレンタインデーであることを思い出す。
B「はっはぁーん。さては誰か想い人を待っているところでしたかな?」
A「うるさいなー! もうっ、私に構うな!」
B「はいはい、じゃあ俺は先帰ってるよ~」
Bはそうからかって、この丘を後にした。
B「……そう言えば俺の分あるか聞かなかったな」
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