第1章

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「俺達は置き去りにされたんだ」 「馬鹿な事を言うな! 」 俺達は極寒の地南極から救出される事を待っていた。 「俺は信じています、救出される事を。 ずっと待ってるから、期待を裏切らないで下さい」 俺達はプレハブ小屋に入り、身を寄せ合って暖を取る。 「腹減ったな」 「取り敢えず救助が来るまでの間、生活物資を集めよう」 俺達は、残された物資の中から食料などを探す。 残されていた食料は僅かであった。 「こんな量では、すぐ無くなるぞ」 「ペンギンを狩ろう」 極寒の地で天敵のいないペンギンは、狩りやすい獲物だったが、子育てが終わると海に向けて移動してしまった。 「寒い、寒い、もう駄目だ」 「腹減ったな――。 どうせ死ぬのなら腹一杯食って死にたいな――」 「おい! 目を覚ませ! 頑張れ! 」 仲間が次々と倒れて行く。 倒れた仲間達を埋葬したくても、極寒の地、野晒しにするしか手が無い。 救助隊はまだ来ないのか? ここに取り残されたとき多数いた仲間達は、今、俺と、俺と身を寄せ合って暖を取っているこいつだけだ。 「寒い、腹減った。 もう救助隊なんて来ないんだ。 俺達は見捨てられたんだよ」 「馬鹿を言うな! 頑張れもう少しの辛抱だ。 おい! 何か聞こえないか?」 俺達は助けあってプレハブ小屋から外に出る。 そして海の方向を見た。 音の正体は最初小さな点であったが、だんだんと大きな点になって行く。 その正体はこちらを目指して飛行している、ヘリコプターだった。 救助隊だ! 俺と相棒は大声で叫びながら、ヘリコプターの方へ走り出す。 「信じていました、助けに来てくれる事を」 こうして極寒の地南極に置き去りにされた、タロウとジロウは救助された。
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