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彼女―――白石さくらを好きになった。
同じクラスで、図書委員。
席は左斜め後ろ。
艶やかな黒髪が印象的。
いつの間にか目で追うようになって、
ああ、好きなんだなって思った。
彼女に好きな人がいるって話が耳に入った時は、終わったと思ったが……、
これはひどくないか?
日課のランニング中、あとこの階段を下れば家に到着ってところに彼女が座っていた。
ああ、そうだよな、聖バレンタインだもんな、好きなやついたら告るよな、女子としては。
でも、この階段を下りる他に家にたどり着く方法がない。
告白現場に居合わせるのは正直辛い。
うん、ささっと通り過ぎよう。
と、走り出したとたん、彼女が振り向いた。
やべ、万事休す。
と、思ったら。
「良かった。今日はもう来ないかと思った。」
……、え?
「あの、ずっと前から好きでした。受け取ってください。」
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