第1章

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11月になりました。 寒さも増すころ。 私の片想いは続行中です。 お昼休みは机をくっつけて梨沙ちゃんと愛ちゃんとお弁当を食べる。いつもだいたいこの3人。 私のクラスではなかなか席替えなんてイベントはなくて、やっぱり彼は右斜め前。 私としてはラッキーだけど、梨沙ちゃん、愛ちゃんのお二人は少々不満そう。 「さくらは不満じゃないのー?」 梨沙ちゃんが言う。 恋してること、紺野くんが好きなこと、まだ誰にも言えていない。 ちょっと、秘めておきたい気分なのです。 「ってか、最近さくら上の空なこと多くない?」 あ、見抜かれてる。なかなか隠せないものだな。 「ズバリ、恋! でしょ?」 にやにやと笑う二人。 あー、もう逃げられないな。 「ないしょ。」 でも一応秘め事ですので。 「あとでちゃんと話すね。」 ひそひそと告げる。 彼に聞かれてないかちょっと心配……、だけどたぶん大丈夫。 悲しいことに彼にとって私はただのクラスメートなのです。
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