第1章

4/10
前へ
/10ページ
次へ
12月になりました。 寒さ真っ盛り。 恋人にとっての一大イベント、クリスマスが近づく今日この頃。 私にはまだまだ遠いです。 友達にはきちんと打ち明けた。 本人に言うわけでもないのに、やたら緊張して。これじゃ先が思いやられます。 二人には脈ありだっていってもらえたけど……、全然そうは思えなくて。 いまだにただのクラスメートのまま。 梨沙ちゃんはさりげなく探りをいれてくれるっていってたけど、もうちょっと自分で頑張らなきゃ。 眺めてるだけじゃ何も進まないもんね。 でも、私には眺めてるほうが性に合ってる気がします。 彼を好きになって3ヶ月ほど。ずっと眺めてきた。教室で眺め、放課後だって陸上部の彼を図書室の窓から眺めてた。 彼が走るだけで、私の世界も広がったような気がした。図書室から彼までの距離を感じないほどに。 一瞬で空気を変えてしまう。 眺める時間が増すほどに、彼のいろんな面が見えて、好きって気持ちが増すばかり。 この距離感が心地よかった。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加