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室内には怪しげな発光体をフラスコに注ぎながら、一人にやけている白衣の人物がいた。
そんな彼こそが。
高校生ながら化学の分野で様々な新発見や発明をし、次々とその名声を学園にもたらすため、いくら教室を爆破しようとも学園から何一つお咎めなしという特権を持つ奇人君。
蒼野空(あおの そら)
私より一つ上の高校二年生。
あ、ついでに私の自己紹介もしておくと。
日向真夏(ひゅうが まなつ)
高校一年生。
残念ながら蒼野先輩とは真反対の凡人です。
「何作ってるんですか?」
問いかけると、蒼野先輩は実験用眼鏡を押し上げながら振り返った。
「あー。あんまり近付くなよ。
思春期の人間が触ると大変なことになるから」
ごぼごぼと泡を吹き出している発光体に近づきつつあった私に忠告してくる。
「そう言う先輩も思春期じゃないですか。
っていうか何ですか?これ」
「リビドーとタナトスの関係式を解いて、エロスの抽出をおこなっているところだ」
「リビド…?
…全くもってよく分かんないですけど、今日という日でも先輩は相変わらずですね。」
私はため息まじりに呟いた。
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