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「ん?今日って何か特別な日だったか?」
首を傾げる先輩。
「それについてはこれを渡しておきます。後で読んでよくよく考えてみてください」
先輩に手紙を差し出した。
先輩は未だ首をかしげつつも、それを受け取った。
「それで私の体の透明化を治す方法、何か分かりました?」
「ふむ。
体が透明化する――この事象は物質的に消失しているわけではなく、視覚的に見えなくなっているだけだと思われる。
事象が発生する条件として、恥ずかしさを感じた時。これつまり、脳からノルアドレナリンが分泌された時だ。それが体内にある何らかの物質と反応を起こし、体の屈折率と空気の屈折率が等しくなってしまったものだと思われる…」
「何だかんだ言って昨日までと言ってた内容が変わらないですよね?
つまりは進捗なしですか?」
「うむ…何かこう…ビビッとインスピレーションがこないと駄目なんだよなぁ。
俺ってほら、99パーセントの閃きと1パーセントの努力で生きてるから」
「その反対の比率で生きてる私に喧嘩売ってるんですか?」
あのゴルゴでさえ20パーセント努力し、エジソンでさえ99パーセント努力の人なのに、この人と来たら…。
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