2人が本棚に入れています
本棚に追加
いきり立つ私に「どうどう」と両手を広げる先輩。
「そうだな。
もしかして化学からではなく、違う分野からのアプローチが必要なのかもしれん…」
「暢気に言ってる場合ではないですよ。
こちとら毎日ピンチの連続で、さっきも…」
「ああ。
捲れたスカートの下から赤パンが見えたってやつ?」
「…な、なんで、もう知ってるんですか?」
「風の噂で聞いたよ。良い趣味してるね」
「う、うるさいっ!
履いてたら、何か調子がいいんです!」
「…あ。体が透けかけてるぞ」
「もう!先輩のせいです!」
「大丈夫だ。そういう恥ずかしいピンチを乗り切る方法が一つだけある」
「…何ですか?」
期待はしていないが、一応聞いておこう。
「全裸になれ。
そうすれば裸になったという羞恥で体が透明化し、服だけが浮くということも無くな…ぶべら!!」
私は咄嗟に隣にあった骨格標本を奴に向かって投げつけた。
「サイッテー!!」
揉んどりうって倒れた先輩は、なかなか起き上がってこない。
「…ちょ……あれ……なんか骨の関節が絡まって抜け出せないんだけど…」
「良い格好ですね。骨相手にサンボの技でも磨いてれば?」
私は扉を荒々しく閉め、部屋を出ていった。
最初のコメントを投稿しよう!