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それは一週間前のできごと。
今思えば、あの日の何かがきっかけだったのかもしれない。
私の体が透明化するようになったのは…。
「いきなりで悪いが、これを飲んでくれないか?」
先輩に呼び出された化学準備室に行くと、いきなり正体不明の液体の入ったコップを渡された。
「……何ですか、これ」
「君は狙われている。
これはどんな毒物も無効化する薬だ。急ぎで作ったから効果までは確認できていないが…」
私はムツゴロウの棲む泥沼のような色をしたその液体を見つめる。
…怪しい。いかにも怪しい。
「私の体で人体実験でもするつもりですか?
…あ、わかった。あれでしょ。
今日は学園祭だから、その展示物にするつもりですか」
「俺は学園祭で展示も発表もするつもりはない。面倒だからな」
にべもなくそんなことを言う。
「じゃあ…なんで…?」
「言っただろう。
君は狙われている。これは君を守るために作ったんだ」
「……え?」
先輩のその言葉に思わずドキリとしてしまった。
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