花に嵐のたとえもあるさ

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彼が亡くなってからはあっという間だった。 葬儀を含め、バタバタしぱなしで悲しみに浸る暇もなかった。それで良かったのかもしれない。 目まぐるしい日々もやっと落ち着いた頃には彼が亡くなって1ヶ月が経っていた。 そろそろ彼の部屋を整理し始めようと思い、普段あまり入ることがなかった彼の部屋に足を踏み入れ、少しずつ片付けを始めた。 悲しみの波に溺れ始めてしまったら、浮き上がってこれない気がしたので、暗い気持ちにならないように、無心でテキパキと作業を続けた。 そんな中で、机の引き出しの奥から、一通の手紙が出てきて、それを手に取った瞬間だけは無心でいられなかった。 封筒に、「絵美へ」と書かれていたから。
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