気づき

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軽く夕食を食べた後、今夜は俺のマンションに泊まる予定。 弥生さんがこっちの大学を目指したのは、単身赴任していたお父さんと一緒に暮らすためなんだ。今は家族3人で暮らしている。 前の家を処分してきたから、弥生さんにはもう地元に帰るところがないんだ。 だから、僕が弥生さんに地元に帰れる家を作ってあげたいなって考えてる。 レンタルビデオ店の前で弥生さんが立ち止まった。 「DVD借りていく?」 「映画見たから、もういいんじゃない? 俺、弥生さんにお願いがあるんだけど」 「なあに?」 「弥生さんを全部欲しいって思ってるんだけど、ダメかな?」 俺の言葉に弥生さんは真っ赤になった。 「ダメ?」 もう一度聞くと、恥ずかしそうに微かに頷いてくれた。 心も体も繋がったその夜、初めて俺たちは本当の恋人になれた気がした。
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