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誉められた事が嬉しくて、母親を見るとうんうんと頷いていた。
「二人は何して遊ぶのが好きなの?」
声の方を見ると、俺たちと目を合わせるようにしゃがみこんだ琴ちゃんがにっこりと笑っていた。
「サッカー」「工作」
同時に答えた俺たちは心の中で『しまった』って思った。『別々に答えないと聞き取れないよ』って、父親から何度か注意されていたから。
「えっと、健君がサッカーで、総君が工作ね』
なのに、琴ちゃんは、俺たちの答えを難なく聞き取ったんだ。
そして、ちょっと困った顔をした。
「ごめんね。サッカーはしたことないから、工作………うーんと折り紙でもいい?」
「うん」
俺たちがすぐに返事したら、琴ちゃんは嬉しそうに笑ったんだ。
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