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しかし下手に答えてドツボを踏みたくないと思った小宮山は、
「木下さん。面白いこと言うね。人間が透明になれるわけないじゃん。アハハハ」
「うふふふ、だって私見ちゃたんだもん。あの小野田事件の時ですよ。下山さんと小宮山さんが二人でいてる時にたまたま私その現場を見ちゃったんですよ。小宮山さんの身体が透けていくのを。スゴイですね。驚きましたよ。どうやったら身体を消せるんですか」と目をキラキラさせながら聞いてくる。
小宮山はさらに額から汗が噴き出てくるのを感じていた。
木下さんは「大丈夫ですよ。私誰にも言いませんから。その代り私と付き合ってください。そうすれば私誰にも言いませんから」と真剣な眼差しで言う。
「もし断ったらどうする」とゆっくりとした口調で話す。
「ええ、もし断ったらなんて考えていませんでした。だって、私可愛い顔しているでしょ。前から小宮山さんの事好きだったんです。だから、脅してでも付き合ってもらおうと思っているんですけど。だめですか。でもきっと小宮山さんは断らないと思いますけど」と不敵な笑みを浮かべている。
「俺の事好きなの。じゃあ何でそんな言い方するんだよ」
「だってそうでも言わないと、小宮山さん私の事眼中にないから」と顔を赤らめていう。
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