二章

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 徐州を進撃する曹操軍の中核を為しているのは、先年吸収した青州黄巾党だった者たち、即ち『青州兵』であった。  曹操は彼らを配下にする為に一つ条件を呑んでいる、『中黄太乙』の教義を奪わない事。つまり狂信的という彼らの本質は何ら変わることなく、その戦いぶりには容赦も躊躇も無い。  正しく凄惨の一言につき、敵兵はおろか動くもの全てに襲いかかり徹底的に殺し尽した。  曹操軍、陶謙の支配下にある十余城を抜く。  しかし、これは陶謙が戦力の分散を避けて彭城に主力部隊を集結させる為に戦線を縮小したからである。  彭城に集結した陶謙軍、曹操軍を迎え撃つも一敗地に塗れる。  陶謙の戦術は決して間違っていない、至極無難な選択を取っている。だが敵は狂信的殺戮集団である青州兵に曹操の憤怒を乗せた軍勢、相手が悪かったとしか言いようがない。  たまらず陶謙は他の勢力に救援を要請した。
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