二章

3/4
前へ
/33ページ
次へ
 青州平原国、  河北に勢力を持つ群雄の一人、公孫讚の支配域であるこの地に遣使がやってきた。遣使の到来は実質的な代表者である相へと速やかに知らされる。 「公孫讚殿より、遣いが参りました」 「解った」  平原国の相であるその男は組んでいた腕を解き、閉じていた瞳を開き、ゆっくりと身体を起こした。  起立するとその両腕は膝まで垂れ下がる、異様に長い手。  耳朶が頬の下のエラの辺りにある、異様な長耳。  かなりの異相と言える。その異相の男が廊下に出ると二人の人物が男を待っていた。  あの、髭男と熊男……。
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!

24人が本棚に入れています
本棚に追加