第1章

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俺の名前は、武藤 克樹(むとう かつき) 俺の前で、机に肘をつき話して居るのは、同じクラスで幼なじみの、遠山 いずる(とうやま いずる) 「なぁなぁ、海行こうぜ海!」 「海なんて毎日見てるだろう」 俺達の住む街は、静岡県の海辺 小さな港があり、穏やかで静かな街だ 海南高校3年、俺達は即ち受験生だ 就職するヤツも居るが、俺達のクラスは進学クラスだ 俺達の高校は、2年になると、進学クラスと就職クラスに別れる 俺と、すぐるは東京の大学に進学予定だ 「遊ぶのと、登下校で見るとは違うの」 あっそ 「ふーん…」 「高校最後の夏休みだぜ?梢も誘ってさ」 「アイツは無理だろう、日差しが強過ぎるし…」 俺は、そこまで言って黙った 俺の隣りの席は、春から空席だ そこに、座る筈だった者は、もう学校には来れない事を俺は知っていた
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