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うだうだと悩んでいると、着信音が部屋に響き始めた。
先輩は時間通りにかけてくる。
「すみません、時間、大丈夫なんですか?」
『うちの奥さん、今、ドラマ観てるから。録画してたやつをね。何かあったんです?』
丁寧な口調は、昔から。
低すぎないけど少し掠れた声が、くすぐったい。
『ああ、特に何かなくても、悠子さんと話す時間は作りますから、気にしなくていいんです』
先手を打たれる。
『とは言え、些細な事でも、答えが出ない時はありますから。気の済むまで話しましょう』
「ありがとうございます。えっと、ネットの人間関係なんですけど……」
あたしは話の流れを説明する。浅葱の話は何度かした事があるから、先輩は浅葱の性格をなんとなく把握している。
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