1・ キライ

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『つまり、入江君が心配なんですね。それは悠子さんの苦手なタイプの人間だから、でしょう? いつも通り自然に接していれば悠子さんなら、その場をなんとか出来ますよ。大丈夫です』 先輩からの大丈夫という言葉が、あたしを安心させてくれる。これが聞きたくて、あたしはメッセージした。 『くれぐれも、お酒を飲みすぎないように。入江君のペースに飲まれなければ、悠子さんは浅葱さんを守れます。飲みすぎないようにというの、その辺りが心配ですけど』 「え、それは……」 『悠子さん、お酒強いけど飲みすぎたら、ほら、寝ちゃうから』 くくっと笑う先輩の声に、あたしは恥ずかしくなる。ずっと前に先輩の前で泥酔して眠ってしまったから。
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