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『あの時、私が車で来ていなかったら、路上で寝てましたね。忙しい時期で、悠子さんが疲れている気がしたから、飲まずにいようと思ってたから。予想通りで』
「あの時は、ほんとにすみませんッ。途中からあまり覚えてなくて。送っていただいて助かりました」
『寝言、楽しかったからいいんですけどね』
「それ、初耳ですよ。あたし、何をッ」
『仕事の愚痴、ですよ。会社の上司の面白い話で』
くくくっと、思い出し笑いをする先輩は、少しだけ意地悪な雰囲気を醸し出す。
言わなくてもいい事を口走ってるかもしれない。でも先輩は、そこには絶対触れないんだろう。
『スマホ見つめて慌てている様子が目に浮かびますね』
からかわれてる、気がする。
でも、嫌じゃない。
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