第1話

１・ キライ

【ねーさん！ 聞いてほしいことあるから今度の土曜、時間作ってください】

グループチャットで妹のように可愛がってる浅葱からメッセが飛んできた。個人的に言ってくれたらいいのに、めんどくさくいな。なんて思うけど、浅葱の場合は、気遣いがないとかそういうのではなく、天然ちゃんだから、仕方ない。そこ含めて可愛いから許せる。

【え、ナニ、浅葱ちゃんとねーさん、プチオフっすか。俺も行くわ！ 浅葱ちゃんで癒されてえし！】

【オマエはくるな。浅葱が穢れる。場所教えないし】

あたしがそう返すと、ヤツはスタンプでしょぼんアピールをしてきた。

【入江さん、ねーさん目当てじゃないの？】

入江というのは、ヤツのこと。
あたしはヤツのノリの軽さと、信用ならない雰囲気を醸し出す文面がキライだ。