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「ほんとは、浅葱が口実でねーさんが本命だとしたらどうする?」
「信じない」
「信じなくていいけど、俺の話はいいから。サハラの話を聞かせてください」
入江は、水を飲むとベッドに横になる。
あたしはベッドの横の椅子に座り、入江からの視線を合わせないようにした。
「なんでこっちみない」
「見透かされるの。きらい」
「見透かされると解るわけ?」
「だってあんた、もう、酔ってなさそうな」
「さっきより。シラフ」
「だから。いや」
入江が起き上がる。
「なんもしないからさ、こっちきてよ」
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