2・ズルい

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「ほんとは、浅葱が口実でねーさんが本命だとしたらどうする?」 「信じない」 「信じなくていいけど、俺の話はいいから。サハラの話を聞かせてください」 入江は、水を飲むとベッドに横になる。 あたしはベッドの横の椅子に座り、入江からの視線を合わせないようにした。 「なんでこっちみない」 「見透かされるの。きらい」 「見透かされると解るわけ?」 「だってあんた、もう、酔ってなさそうな」 「さっきより。シラフ」 「だから。いや」 入江が起き上がる。 「なんもしないからさ、こっちきてよ」
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