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「イヤ」
「好きな人の話、聞かせてよ」
「イヤだ」
「サハラじゃなくて、普段のあなたの話をきかせてよ」
「イヤ」
「どうして俺がキライ?」
「図々しい」
「どうして俺をみない?」
「イヤだから」
「どうしてそんなに泣きそうな顔を」
入江が起き上がり、あたしに近付いた。
この部屋から出ないと。
あたしは、入江のペースに巻き込まれてる、イヤだ。どうしてすぐに部屋を出なかったの。
「避けるなよ」
「避けてない。キライなの」
「ひどいな」
「そうよ。ひどいのよ」
「抱きしめていい?」
「なんでそうなるの」
「かわいいから」
「馬鹿じゃないの?」
「いいからこっち。来ないならこっちがいく」
入江があたしの手を取った。
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