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「夢落ちなんて無かったんだな…」
目が覚めるとそこは自分の部屋でなく、何もない森、ただただ森。一応辺りを見渡してみたがやっぱり森
「まさか昨日のあれが本当に起こってたとは…つーかせめてちゃんとした場所に送れよあのくそ女神!!」
何もない空に向かって一人ツッコミを入れるが
返ってくるのは鳥の囀りだけ。あーなんか虚しくなってきたわ
「とりあえずこーゆーのは歩けばいいんだよな。あ、そういえば…」
俺は昨日憐に言われた通りに指輪を使って空間を出してみた。どうやらこの辺の能力もちゃんと反映されてるらしい。でも全然嬉しくねぇ
「はぁ…なんかこういうときは一人だと心細いよなぁ…」
特にいく宛もなく、果てしなく広がる森を歩いていく。だが一時間ほど歩いても人どころか獣一匹見つかりやしない。この分だと、本当に俺がこの世界に来た意味があるのかどうかすらも怪しくなってくるな
ま、そんな平穏も束の間…しかもそれは俺を送り込んだ張本人によって崩された
「あのさ…憐何してんの?」
「あ!龍夜君じゃん!早速会えるなんて奇遇だね!」
俺の顔を見や否や元気そうに話しかけてくるこの駄神…それ自体は大変可愛らしいが残念なことにこいつは現在進行形で巨大な鶏みたいなやつに食べられている。そんな口からはみ出た上半身だけで喜ばれてもキモいだけなんだよクソが
「でさ、私今食べられてるじゃん?」
「あぁ、食べられてるな」
「だからさ、とりあえず助けてくれない?」
「そのまま食われとけ牛女」
「う、牛女!?大体どの辺のこと言ってるのかわかるけど人が死にかけてるときにナチュラルなセクハラやめてくれない!?」
「とりあえずそんなけ血を流しといてそれだけ喚けりゃ充分だ。後は自分で何とかしろ」
「それは無いよ!この人でなし!」
「元から人じゃないお前に言われたくねぇ」
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