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憐のやつが余りにも煩いので、とりあえず見捨てるのをやめようとは思ったのだが…大体、助けろと言われても俺自身ハンドガンしか持ってきていない。これでどうやって戦えっつーんだよ畜生め
「あー…チキン食いてぇな。そうだこうなればこいつ焼いちまおう」
「ちょっと!それじゃあ私も焼けちゃうよ!何も解決しないよ!」
「ったく…一々注文の多いやつだな。ぶっ殺すぞ」
「あれ?もしかして私って嫌われてる?一応ヒロイン候補の私早くも主人公に嫌われてる?」
さっきから誰に向かって話してるのかわからないが、化物に食われながらもここまで元気なのはどうかと思う。ちょっとは弱れよ糞女神
「全く…これだから余所者は困るんだ」
「およ?のうわぁぁぁぁぁ!!??」
「キシェアァァァァァァ!!??」
突然何かが横切ったと思ったら、次の瞬間には鶏擬きの首が真っ二つになってるじゃありませんか。それと同時に逆さ吊りになってた憐さんの綺麗な赤髪ストレートも見事にショートヘアーへと変身しましたけどね
ともあれ、一瞬の間に無惨に死に絶えた鶏の生首から脱出した憐は泣きながら俺に抱きついてきた。柔らかいのは構わないんだが、てめぇ自身の血と鶏擬きの涎で服がベトベトなんだが
「怖かったよぉ…」グスッ
「はいはいよしよし。あんたも助けてくれてありがとうな」
俺は背後にいるであろう恩人に礼を述べた。しかし返答が無いので振り返ってみたらそこには誰もいなかった。でも確かに声が聞こえた筈なのになぁ
「うぅ…」グスッ
(この調子だと憐は見えてなかったみたいだな。一先ずこいつの手当てもしないとな。クソ、近くに街があればすぐに治療出来るのに)
当たり前のように存在する化物、そして神様のはずなのに何故かここにいる憐と謎の救世主。解決しなきゃいけない問題が山積みで頭が痛くなりそうだ
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