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「じゃあこれからどうすればいいんだ?」
「まずはこの森を出て、この国の東にあるエーテルという町を目指しましょう。そこはこの森と隣接している小さな町で、大都市群からもそんなに離れてませんしもってこいです!」
「でも生活はどーすんだ?サバイバルなら慣れてるが」
「いえ、新しくギルドを創設するのです」
「ギルド?」
そういえばさっきもギルドがどうのこうの言っていたなこいつは。そんな訳のわからない組織を作れと言われても変な宗教勧誘にしか聞こえないぞ
「あ、今変な宗教勧誘とか思ってますね。失礼な人です」
「さらっと人の心を読む方がよっぽど失礼だと思うぞ。それより何なんだそのギルドってのは」
「ギルドはこの国の人達が生活するのに必要な環境を支える組織です。主に魔獣の討伐や辺境に生息する植物の採集。そして高ランクの犯罪者の確保及び殺害です」
少女の話から推測するに、そのギルドという組織は俺のいた世界で言うところの警察と軍を混ぜたものなのだろう。俺も昔田舎の山奥に入って作業したりしたこともあるので、用はその延長線だと思えばいいわけだ
「そのギルドは簡単に作れるものなのか?」
「作るのは簡単ですよ。でも一流のギルドになるためには一つの試練をクリアしないといけません」
「試練?」
「えぇ。それはこの国に存在する最高ランク…Zに指定された犯罪者の首を持って国王に面会にいくことです」
「ふーん、それだけか」
えらく真剣な顔で話すものだからどんな過酷なものが待ち受けてるかと思えば、罪人しばいて連れていくだけとは生温いな
「それだけって…Z犯罪者は貴方の想像してるよりも遥かに頭が可笑しいですよ!?」
「へいへい、わかってるわかってる」
決して慢心はしない。それでも数々の死線も潜り抜けてきた身としては犯罪者ごときに引けをとるとは思えない
だけど俺は理解していなかった。魔法の本当の恐ろしさ、そしてこの世界の犯罪者が次元を越えたキチガイであることを
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