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それなりに手入れされた部屋、町にある一軒屋を借り受けた俺達はその一室でこの世界初となる【任務】について話し合っていた
尚、この一軒屋はおっさんがタダでくれたものだ。こりゃあこの町を助けるに十分な対価を貰ってしまったな
「えっと、おっさんが言うところには山の中腹に奴等のアジトがあるらしい。だからそこまでは戦闘を避け、隠密に行きたいと思う」
「戦力も偏ってますもんね。私が弓で龍夜さんは銃。憐さんは…憐さんって何使うんですか?」
思えば憐は武器らしいものを持っていないし、ずっとサポート的な魔法しか使っていなかった。そもそも気になっていることがあるのだが…
「憐や、お前元々何でも出来る神様だろ?あんなアジトとか一瞬で潰せるんじゃね?」
「そ、そうですよ!憐さんってこの中で誰よりも反則級じゃないですか!ほら、早くやっちゃってください!」
「えっと…その…」
俺達の期待の目とは裏腹、憐は目を泳がせながら申し訳なさそうに口を開く。そこから出てきた言葉は決していいものではなかった
「私、こっちに来たときに色々出来なくなってて…回復魔法と補助魔法なら使えるんだけどそれ以外は全く…勿論空も飛べないわけでして」
「何だ、本当の駄神になったのか」
「駄神ですね。使えませんね」
「その反応物凄く傷付くよ!?確かに神様名乗って私万能アピールしてたのにこの様だけどさ!!それでも少しは慰めてよ!!」
「大丈夫だ、囮くらいにはなる」
「全っ然嬉しくない!!」
人が折角慰めてやったというのに、わがままなやつだな
ともあれ、憐が戦力にならないとするとこのメンバーで突破するのはかなり厳しい。せめて近接要員が居れば戦略も変わるのだが…近接?
「あったな突破口」
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