第二話 ギルド【雫石】

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それなりに手入れされた部屋、町にある一軒屋を借り受けた俺達はその一室でこの世界初となる【任務】について話し合っていた 尚、この一軒屋はおっさんがタダでくれたものだ。こりゃあこの町を助けるに十分な対価を貰ってしまったな 「えっと、おっさんが言うところには山の中腹に奴等のアジトがあるらしい。だからそこまでは戦闘を避け、隠密に行きたいと思う」 「戦力も偏ってますもんね。私が弓で龍夜さんは銃。憐さんは…憐さんって何使うんですか?」 思えば憐は武器らしいものを持っていないし、ずっとサポート的な魔法しか使っていなかった。そもそも気になっていることがあるのだが… 「憐や、お前元々何でも出来る神様だろ?あんなアジトとか一瞬で潰せるんじゃね?」 「そ、そうですよ!憐さんってこの中で誰よりも反則級じゃないですか!ほら、早くやっちゃってください!」 「えっと…その…」 俺達の期待の目とは裏腹、憐は目を泳がせながら申し訳なさそうに口を開く。そこから出てきた言葉は決していいものではなかった 「私、こっちに来たときに色々出来なくなってて…回復魔法と補助魔法なら使えるんだけどそれ以外は全く…勿論空も飛べないわけでして」 「何だ、本当の駄神になったのか」 「駄神ですね。使えませんね」 「その反応物凄く傷付くよ!?確かに神様名乗って私万能アピールしてたのにこの様だけどさ!!それでも少しは慰めてよ!!」 「大丈夫だ、囮くらいにはなる」 「全っ然嬉しくない!!」 人が折角慰めてやったというのに、わがままなやつだな ともあれ、憐が戦力にならないとするとこのメンバーで突破するのはかなり厳しい。せめて近接要員が居れば戦略も変わるのだが…近接? 「あったな突破口」
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