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「つーかよ、姿も見えねぇ所から銃弾ぶっ放すとかちょっと礼儀知らず何じゃねえの?」
『その姿も見えない者におっぱいの良さについて語る貴様の方が礼儀知らずと思うのだが』
「お前おっぱいを侮辱するんじゃねぇ。殺すぞ」
『何この子怖いんだけど…』
暗闇の向こうで声の主が本気で引いてるのがよくわかる。だが俺も引くわけにはいかない。ここで引いたら男が廃る
とまぁ冗談も程ほどに、俺は声の主に一番大事なことを訪ねる
「なぁ、ここは何処でお前は誰だ」
すると暗闇の中からうっすらと影が此方に歩いてくるのがわかった。だが何かおかしい、何故なら明らかにその影は人の形をしていないからだ。背中の部分には羽のような物も見える
『ここは【龍の祠】。かつて栄え、そして滅びた龍人族の魂が祀られる場所。そして私はその六代目龍長の魂だ』
背中に羽を生やす影はそう言いながらゆっくりと近づいてくる。その影はとても黒く、そして恐ろしいほど深い闇であることを感じさせられる
「その龍長ってのが俺になんの用だ?」
『私が用があるのではない。お主がここへと導かれたのだ』
「はぁ?」
俺が導かれた?確かにおっさんに連れてこられたけど別に導かれたって訳じゃないだろう
『周りを見渡してみろ。先程までお主がいた場所とは全く違うだろう』
「そう言われてみりゃ…ってことは…」
俺は勘違いをしていた。影が俺に近づいたのではない…俺が影に近づいていたのだ。それも無意識に、極自然な流れで近づいていた
「…どうやら俺は頭がおかしくなったらしい」
『元々だろう』
「やっぱりぶっ殺すからそこで待ってろ。今すぐ行ってやる」
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