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「おい主よ、女の子を泣かせるとは良くないんじゃないか?」
「んなこといっても仕方ねぇだろ。黒光りも多分逃げちまったし」
黒光りきた大爆発で施設は崩壊、俺は龍長が咄嗟に出てきて瓦礫に潰されるのを防いでくれギリギリ助かった。黒光りは爆風の中一瞬で姿を消したので、恐らく逃げたんだろう。だがこれだけやったんだ、もうエーテルは狙わないだろう
だが問題はここからどうやって出るかだ。本来なら龍長の力で瓦礫ごと積もった土砂を弾き飛ばせばいいのだが、今は俺のことを探しに来てくれた憐が丁度真上で泣いている。今吹き飛ばせば憐まで巻き込んでしまうのは明らかだ
ちなみに何故憐の場所がわかるのかと言うと、龍長がそう言っていたからだ。俺には龍長のお腹と瓦礫しか見えない
「くっそー…心配して来てくれんのないいが、」
「全くだ。案外この体勢で保つのはしんどいんだぞ…」
「いっそこうなったら穴掘って逃げるか…」
「主、それ私逃げるときに潰れるよな?」
龍長が何か言ってる気がするが聞こえない、伝説って言われてるんだから瓦礫くらいで死なないだろ
「んー、よしこうなったら物は試しだ。龍長力借りるぞ」
俺は龍長の力で昔一度だけお目にかかった最強のスナイパーライフルに似た銃を作り出した。こいつなら瓦礫突き破って外まで届くだろう
「憐はこの上にいるんだな?ならこっち側に…」
タァンと小気味いい銃声が鳴り響き、弾丸は瓦礫を突き破っていった。その後に出来た穴を覗くと、確かに外に繋がっていた
「これなら…おい憐!聞こえるか!?聞こえたらそこどけ!」
「ぐずっ…うぇ?龍夜君?龍夜君なの!?」
「あぁ俺だ!今から脱出のためにちょっと派手にするからそこから離れろ!」
「ふぇ、う、うん!」
憐が十分に離れたのを見計らい、龍長は全力で瓦礫を吹き飛ばした。目の前に積もっていた瓦礫や土砂は一瞬で弾けとび、綺麗な空が一面に広がった
「ふぅ…これで助かったのかぁ…」
生死をかけた戦いやっと解放されたと思ったら力が抜け、地面に横たわってしまった。するとそんな俺に憐が勢いよく飛び込んでくる。今ので肋が何本か死んだ
「もー!心配したんだがらぁぁぁぁ!!!!」
「…ありがとな憐」
俺の胸元で泣きじゃくる憐の頭を撫でながら、俺はこの世界に来て初めてみれた青空を何時までも眺めていた
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