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「それに、向こうに行ってくれるなら特典として何でも願いを叶えちゃうのだ!」
「じゃあ元の世界に帰らせろ。後俺の睡眠邪魔すんな」
「むぅー、そんなこと言わないでよ」
自称女神は頬を膨らませながら此方を睨んでくる。大抵の男なら「も、萌えぇぇ!!」となるのだろうが、生憎俺は鋼の心の持ち主。この状況で動揺したりはしない
「…どうやら反論しても無駄みたいだしな。しゃーねぇ、行ってやる」
「…ほんとっ!?」
自称女神の顔が途端に笑顔へと変わっていく。忙しいやつだなこいつは
「じゃあ向こうの世界について教えなきゃね!あ、座って座って」
「座れって…うぉ!?」
自称女神が手を払う動作をすると、椅子と机が突然現れた。しかもそれなりに洒落てるのがムカつく
兎も角俺は椅子に腰掛け、自称女神の話を聞くことにした
「まず向こうの世界についての基礎知識なんだけどね…向こうは魔法が主流の世界になってるの」
「魔法?魔法って今あんたが椅子と机を出したみたいなもんか?」
「そうそう。魔法ってのは沢山種類があって、人によって使えるものも違うのよ」
「ふーん」
魔法とかいう別次元の単語が出てきたもんだからややこしいと思ったが、意外と理解はしやすかった。この自称女神やるじゃん
「それで、俺がその世界に行かなくちゃいけない理由ってのは?」
「そうそうそれなんだけど…これがまたややこしいことになっててね…」
自称女神…うん、名前でいいや。えっと…憐は真面目な顔で一枚の紙を取り出した。そこには幾つかの集団の名前と思わしきものが書き込んである。勢力図みたいなものか
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