最期の刻

3/5
前へ
/5ページ
次へ
目が覚めるとそこは真っ白な部屋… ここは…病院? なんか騒がしい。 ベッドに誰かが横になっていて、その周りには泣いている人や今にも泣きそうな人がいた 何かあったのかな? と他人事のように考えていたが、ベッドに横になっている人を見て私は驚きを隠せなかった あれは…私? 私はここにいるのに… そう思っていると医者らしき人が来て言った 「申し訳ないのですが、もう手の施しようがありません」 あぁそうか 私はもう死ぬんだ 彼の隣にいても、触れても気付かなかったのはそういうことだったんだ 彼を自分の恋人だとわからなかったのも、あの時から記憶が止まってるからなんだ… そう納得すると、身が軽くなる感じがした あぁもう時間が無い… 私は出ない声を出して彼に言った 『ごめんね… もう貴方のところに行くことは出来そうにない ずっと待っててくれてありがとう… 嬉しかったよ 最期の刻を貴方と迎えられて幸せです』 一粒の涙を流して…
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加