最期の刻

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彼は家に帰って、さっき感じたことを思い出していた さっき空を見上げていたときに微かに左の方に温もりを感じた気がした もしかしたら彼女なんじゃないかと思った でもそんなはずがないのだ だって彼女は10年前に事故に遭ってから、一度も目を覚ましてないのだから 俺は彼女の家族とは会ったことが無かったから、知り合いからの情報でしかなかったけれど 今まで毎年あの日になる度に空に向かって願っていた でも今までは温もりを感じたことなんて一度もなかった 何か嫌な予感がした でも、どうしようもできなくて、ただただ予感が当たらないことだけを祈って眠りについた
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