姉 祥子の物語 《今宵、ただ一夜》

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とりすましたお顔をなっても、 ごくりと上下する喉仏に うっすらと汗が浮かんでいらっしゃる。 その汗を唇と舌で ちゅ、と舐めとると、 奏一様の体がまたわずかに動きました。 隠しても、 少し乱れた吐息が伝わってくる。…… それでも何もおっしゃってくれぬから、 私は奏一様の大きな手をとって 自らの胸に触れさせました。 やっとこっちを見て下さったその目は、 驚きと――…情欲? 「ねえ、私の胸 大きいでしょう。 貴方は子供子供とおっしゃるけれど、 子供の体にこんなもの、あって?」
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