姉 祥子の物語 《今宵、ただ一夜》

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そんなこと……当たり前よ。 でもこう子は あの子は 昔からあまりに 我慢ばかりを強いられて生きてきた。 従順な子だから 大人しく従って……。 だからそう、 あの子の心を奮い立たせるために あんな風に言ったのよ……。 もう 思いのままに生きて欲しかった。 家に縛られる日々なんて捨てて ほんとの笑顔を 取り戻して欲しかった。    何度その眼差しと言葉に 救われてきたか知れない。 可愛くて優しい、 私のこう子ーー。 幸せにおなり、 お前にはその権利があるの。 思うさま羽ばたいて、 鳥のように自由に、 貴女の人生を、 貴女だけの空を、 「……飛ぶのよ、こう子―――…」 了
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