第2章

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やっとの思いで言葉を紡ぎだす。 「大丈夫・・・初めてじゃない・・・。」 けれどそれが間違いだった。 どうしてそんなこと言ったんだろう。 自分で何を言ったのかよくわからなかった。 悠介が複雑そうな顔をしているのも見えた。 「晃。お前の身体の不調はそれが原因なのか?」 俺、何言った? 悠介に何か感づかれた? どうしよう・・・。 俺の目から涙が溢れるのを見た悠介がそのまま抱きしめてきた。 「お前をこんなにしたやつ誰だよ。辛いならやめるか?」 苛立ちを含んだ言葉を聞いても、俺は首を横に振るしか出来なかった。 俺をこんな風にしてるのは悠介だよ。 言ってしまったら自分を責めるだろ? 俺は悠介だから全部受け入れてきたんだ。 たとえそこに思いがなくても。 抱いてほしい。 それは変わらない。 だからやめないで・・・。
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