第3章

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晃の様子が変なのは気づいている。 けれど理由がずっとわからなかった。 全てを受け止めてあげる覚悟はあるのに。 晃が抱えているものを少しでいいから俺にわけてくれたら楽になれるんじゃないかと思うんだ。 今まで何も気づいてさえあげられなくて、俺は好き勝手して。 きっと晃に負担ばかりかけてきた。 俺は晃なしではもう無理だ。 抱え込んでいるものを少しでいいから吐き出してほしい。 俺が一緒に背負うから。 そう思ったら、晃から聞こえた言葉に耳を疑った。 「大丈夫・・・初めてじゃない・・・。」 晃は男に抱かれたことがあるらしい。 もしかしたら、晃が目を覚まさなかった原因はその男かもしれない。 許せないと思った。 でも、ずっと晃の不調に気づかなかった自分が怒れる立場なのかとも思えた。 情けない・・・。 今までの自分がすごく嫌になった。 突然泣き出したお前に、辛いならやめるか?と聞いたら首を横に振るから俺はそのまま動けないでいる。 あんなに抱きたいと思ってたのに、泣いてるお前を見たらどうしていいかわからなくなった。 ぎゅっと抱きしめて泣き止むのを待つよ。
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