第3章

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晃・・・お願いだから話してよ。 「お前、何そんなに抱えてんの?俺、何聞いても大丈夫だよ?晃が辛そうにしているのを見てるのは俺が辛くなる。少しずつでいいから話してよ。」 晃が俺の腕の中でビクッと震えたのを感じた。 まだ涙は止まらないんだね。 このままだと晃は壊れてしまう気がした。 だからせめて晃の初めてを奪った男が誰なのかだけでも聞こうと思った。 「晃、首を縦に振るか、横に振るかでいいから。俺、質問するから正直に答えて。」 抱きしめる腕を緩めて晃の顔を見ると、縦に首を振ったのがわかった。 これで最後に名前を聞き出せたら・・・。 「晃の初めての相手は俺の知ってるやつか?」 少し間をおいて晃は頷いた。 俺が知ってるやつらしい。 誰だろう。
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