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声が聞こえる。
父さんかな?
それとも母さん?
ごめんね。
心配してくれているのはわかっているんだ。
辛い現実から逃げているのはわかっているよ。
それでも、届かないこの手はどうしたらいい?
だから、まだ寝ていたい。
夢の中なら、俺は幸せな自分でいられるから。
悠介、俺はお前を縛り付けたくなる前にいなくなるほうがいい。
ごめんね。
好きになってごめん…。
どのくらい年月が経ったのかわからない。
今日も声が聞こえる。
時々、夢と現実の境界線にいるみたい。
それでも、まだ怖い。
悠介は俺のことなんてもう忘れているだろう。
だから、もし現実に戻ってもいいかなって思えたら。
その時は新しい人生を送るのもいいかもしれない。
ひとりでどこかに旅するのもいいかもしれない。
でも、もう少しこのまま眠らせて。
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