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悠介が上半身を起こして俺を覗き込んできた。
苦しそうな顔をしている。
思いつめている?
「悠介・・・。どうしたの?」
「俺がお前をずっと苦しめてたんだよな。なぁ。晃は俺にどうしてほしい?」
悠介・・・?
俺が苦しんでいたのを自分のせいだと思ってる。
違うのに・・・。
俺が勝手に好きになって嫉妬して、独占欲をどうすることもできなくて、ひとりで悩んで勝手に事故っただけなのに。
けれど、これを言わないと悠介はもっと苦しむのかな。
ただ俺の思いが強すぎただけだって言わないと、悠介は自分を責め続けるのかな。
俺が苦しむのは俺の勝手だからいいんだ。
悠介が俺のせいで苦しむのはいやだ。
だから話そう。
今まで思ってたことも、これからどうしてほしいかも。
「悠介。自分を責めないで。俺が事故ったのも自分が原因とか思ってない?」
「実際そうだろ?俺がやったことが原因だろ?」
やっぱりそう思ってたんだ。
違うのに。
あれは、あのことは、俺からしたら嬉しさもあったんだよ。
苦しいだけじゃなかったんだよ。
確かに思いがない行為は辛かった。
でも、俺に欲情してくれたことは嬉しかったんだ。
俺は悠介の首に腕を回して目をあわせた。
「それは違うよ。悠介はあの頃自分が俺を無理やり抱いたんだと思ってる?それで俺が思いつめたと思ってる?」
「違うのか?だって俺は・・・。」
大丈夫。
悠介は何も悪くない。
だから、自分を責めないで・・・。
俺が開放してあげるから。
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