第4章

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どこから話そうか。 俺もうまく話せるかわからないからきっとまとまらない話になるだろう。 「俺が事故った原因になったのは俺自身が弱かったからだよ。悠介は気づいてなかったよね。俺の初恋は5歳だよ。そして、その相手は悠介なんだ。」 「え?そんな前から・・・。あれ?でも、お前彼女いたよな?」 そんなこと覚えてたんだ。 忘れられるかと思って付き合った女だったのに。 「叶わない恋だと思ってたからね。だって悠介はいつも違う女連れてたし、あの時俺にキスしてきたのだって、試したいと言ったのだってただの興味本位だろ?言えなかったんだよ。だから俺は自分の気持ちごまかしてた。」 なんでお前がそんな悲しそうな、苦しそうな顔するんだよ。 そんな顔させるために話してるわけじゃないのに。 「でも、高校卒業してから一緒に暮らすってここに俺も住むことにしただろ。俺の葛藤は酷かったんだ。いつも女がいた悠介に好きだと言えるわけもなく、けれど行く場所なんてほかにないし。一緒にいたいけど離れたいっていっつも考えてた。そしたら食べ物受け付けなくなっちゃってて、気づいたら事故ってた。」 「そうなる前に言えよ・・・。でも、俺はお前が事故で目が覚めなくなったから自分の気持ちに気づけた。」 結果としてはよかったのかな。 俺が眠っていたから悠介は今ここにいる。 「確かに正直なとこあの時お前が俺を抱いたことは辛いとも思ってたよ。だってお前覚えてないんだから。朝起きたら何もなかったようにしてるし。抱かれて嬉しいと思う反面、覚えてないことは俺を抱いたことをなかったことにされてるみたいだった。それだけが原因というわけでもなくて、食べられなくなった原因の一部かな。」 「俺、何も気づいてなかったなって思ったよ。」 起きたときお前泣いてたもんなぁ。
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