第2章

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目が覚めてから俺はリハビリをすることになった。 悠介が仕事が終わると来てくれて、休みの日には差し入れまで持って朝から病院に来る。 少しずつ落ちた筋肉が戻っている。 食欲もすっかり出てきた俺は、差し入れてくれる雄介に感謝している。 まだ完全に歩けない俺は車椅子で悠介と散歩していた。 今日は過ごしやすい日だなと思った。 庭を散歩しながらふと悠介が呟いた。 「俺さ、酔って帰った時、何も覚えてないんだけど、俺何かしてた?」 やっぱり記憶がないんだ…。 あのことも覚えていない。 言うべきかは悩む。 思い出せば恥ずかしくなってきて、言い出せることではなかった。 「どうして?」 「なぜかスッキリした気分だったんだよ。俺何かやらかしたかなって思って。」 それは…あれだけやってスッキリしなかったら俺は不思議だよ。 お前は酔って帰ってくるたびに、何度も俺を抱いたんだ。 大変だったのはこっちだ。 「俺、お前を抱きたい。」 「な…。何言ってんだよ。」 顔が、耳が、身体が熱い。 思い出してしまった。 あの夜の出来事を…。
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